OPEC瓦解への歩み

カタールのレジスタンス

カタールはペルシア湾に面した小さな半島にある国家です。

他の中東諸国と同じように、その土地と近海に眠る油田、ガス田から得られる石油、天然ガスを販売するエネルギー産業を国家経済の柱としています。

日本人であれば「ドーハの悲劇」でもおなじみですね。

そんな石油・天然ガス依存国家カタールが、来年の1月(もう来月ですね。。)に、世界の石油供給量を支配し、油価をコントロールしてきた巨大権力組織、石油輸出国機構(OPEC)を脱退するというニュースが報じられました。

産油国としてはOPEC加盟国生産量に比べてカタールの生産量は非常に少ないため、石油価格への影響は限定的ということが報じられていますが本当にそうでしょうか?

米国エネルギー産業の拡大

今、米国のエネルギー産業はシェールオイルの増産合戦を背景に、OPEC依存からの脱却を図るべく、産油国米国として歩みを進めてきています。

石油はこれまで外交でのかなり強力な手札となっていましたからなおさら、トランプ大統領が掲げるアメリカファースト実現のためには本気で中東依存石油を脱し、石油生産国アメリカとして自立することが課題となっていると言えるでしょう。

何より、世界トップクラスの石油消費国でもあるアメリカですから、今や、アメリカの一挙手一投足がエネルギー産業の行方を左右すると言っても過言ではありません。

エネルギーを爆食しちゃう米国

少し古いデータですが2016年当時の原油輸出国と輸入国の割合グラフです。

原油輸出国(2016年)

米国は2016年に40年ぶりの原油輸出解禁を実行しましたが、まだまだ輸出量は微量です。

スクリーンショット 2018-12-04 23.24.43
引用:https://atlas.media.mit.edu/ja/visualize/tree_map/hs92/export/show/all/2709/2016/

原油輸入国(2016年)

輸出が増えないのは自分で大量消費してしまうためで、輸入国としては世界トップレベルの大食らいです。(でもこう見ると日本の輸入量もかなり大きい気が。。)
スクリーンショット 2018-12-04 23.25.15
引用:https://atlas.media.mit.edu/ja/visualize/tree_map/hs92/import/show/all/2709/2016/
どちらも見渡すと、カナダも少し輸入していますが、石油輸出国(輸出能力を持っている国)で輸入しているアメリカの規模の大きさに驚愕しますね。

いや〜、サウジアラビアからしたら、いいお客さんですよね〜。

カタールの輸入国TOPは米国

先程の引用元に記載ありましたが、カタールの2016年の輸入元ランキングは以下のようです。
  1. 米国 ($4.12億)
  2. アラブ首長国連邦 ($3.1億)
  3. 中国 ($2.82億)
  4. フランス ($2.15億)
  5. イギリス ($2.05億)
カタールは米国の中東戦略を支える心強いパートナー、同盟関係がありますが、米国には逆らえませんね。

OPECを脱退して、米国側に強く取り込まれようものならOPECの立場もグラグラもんですよ。

というかカタールの脱退は米国が仕組んだ戦略と考えていいかもしれませんね。

エネルギー産業のグローバル化

これまでエネルギー産業は、産油国の経済成長を促してきましたが、これから米国という超強豪が中東、ロシアに対抗する形で参入してくることで、外交の切り札としての価値が増してきています。(もちろん昔から外交で用いられていたことでしょうが、より世界が近接になる中で重要度が増している。)

米国カタール連合はこの状況をどう切り抜けていくのか、楽しみで仕方ありませんね。

特に米国は中国、ロシアとの力関係を維持することも全力で対応してくるでしょうから、その動向に期待大です。

共同体の行方

イギリスのEU離脱も2019年3月を控えていて、今回のカタールのOPEC脱退に関しても言えることで、これまで「よし」とされてきた共同体の存在感はどんどん薄れていっているように感じます。

理想的な共同体も、胴元の利益を最優先とすることが頻繁に起こるでしょうから、それに反発する他国との力関係も考慮すると、そもそもうまくいかないのかもしれません。

これは中小のベンチャーでも言えることかもしれませんね。

創業者や経営陣などの胴元(OPECではサウジ、EUではドイツなど)の利益があってから、社員に還元されていきます。

いくらフレンドリーな創業者、経営者であっても社員との上下関係は変えようがありません。

中小ベンチャー企業ならば、そのままパイを拡大していけば、社員への配分も増えていき、不平不満はないかもしれません。

しかし国と国という関係では共同体の利益のために失うものが多くあることも事実で、共同体に参加しないデメリットと比べて、なんとか我慢しているという国があってもおかしくありません。

それが出てきた時点でその共同体は過去の理想郷になってしまっていて、存在意義が危ぶまれます。

共同体の中心にいる国、人はそこに参加するメリットが大きいため、それを残そうとしますが、他の納得がいかない国、人とぶつかり合うことになるでしょうね。

このぶつかり合いがイギリスを生んで、カタールを生んだとも言えます。

どちらも今後、米国との協力関係を築いていきそうで、共同体とは違った新しいグローバルスタンダードが生まれてくるのを、同じく米国との緊密な関係にあるシンガポールで見守っていきます。

世界って面白いですね〜。

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